四国、または中国や九州地方の一部で信じられている憑き物。
ふつう姿は見えないが、手のひらの上にのるほどの小さい姿だともいう。
呪術者が飢えた犬の首を刀ではね、その首または怨霊を祀り、使役することができるようになったもの。犬神は主人のために、他人から富を盗み取ってきたり、またはその家の者に憑いて病気にしたり、殺害したりするともいう。
犬神は不従順な性格なために、祀ることをおこたると主人にも害をなすそうだ。
金田一の犬神家の一族ってここに由来してるのでしょうか?けっこう男前です。
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人よりも大きな蜘蛛の妖怪で、山蜘蛛ともいう。
中世の軍記物語『平家物語』では武者の源頼光の病床に現れるが、頼光に斬りつけられ、葛城山に追いつめられて退治される。
奈良県葛城山の一言主神社には土蜘蛛塚という塚があるが、これは神武天皇が葛の網で土蜘蛛を捕らえ、その遺体を埋めた所だという。
古代日本では土蜘蛛とは朝廷に従わない先住民を蔑視した呼び名であったが、中世には人の怨霊が化けた妖怪として登場する。
夜蜘蛛朝蜘蛛ってどっちが験がわるいんでしたっけ? |
鵺、奴延鳥ともいう。頭が猿、手足が虎、尻尾が蛇、胴体が狸で、声が虎鶫(トラツグミ)という怪物。
『平家物語』や『源平盛衰記』によれば、夜中になると黒雲に隠れて京都御所に襲来したという。
魔よけの鳴弦や僧の読経にも退散しなかったので、弓の名人である源頼政に退治の命令が下された。頼政が魔よけの鏑矢を射て命中させると、鵺は悲鳴をあげて落下し、そこを従者の猪早太がとどめを刺した。その死体はうつぼ船で川に流されたという。
ギリシャ神話のキメイラみたいですね。 |
宗源火ともいう鬼火。炎につつまれた男の生首のようにも見える。
京都御所の南の朱雀通りのそばの壬生寺のあたりに出没したので、俗に「朱雀の宗源火」とも呼ばれる。
壬生寺は奈良時代からある古寺。その地蔵堂にかつて宗玄という悪僧がおり、寺の賽銭や灯明の油を盗み取っていた罪行で、死ぬと地獄へ落ちた。
その後、宗玄の亡魂が地獄の業火(罪ある亡者を苦しめるという地獄の火)につつまれて、地上をさまよったという。
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